
2025年10月07日
中央図書館が所蔵する貴重図書コレクションの「新田文庫」は、17世紀中ごろより東毛地域に領地を有した新田岩松家のご子孫から1966年に寄贈された近世文書や版本・写本等を中心とした資料群です。その中から、今回は「粉本」35点を展示公開します。
粉本とは、絵画の下絵や模写で、いわば習作のようなもの。朱書きの修正跡、色や技法の指示が書かれたものも残されています。新田文庫の粉本は、18世紀以降、新田岩松家の孝純(たかずみ)・義寄(よしより)・徳純(よしずみ)・道純(みちずみ)・俊純(としずみ)の5代の殿様が描いたものや狩野派絵画の模写が残されており、猫や七福神、龍、山水画など1,264点に及びます。代々の殿様が丹念に画技を学んでいた過程が分かる、大変貴重な資料です。
日記には、狩野派絵師に師事したことや、庶民から所望され大量の絵を描いたことが記されています。新田岩松家のお殿様が描く「猫絵」は養蚕農家の鼠除けの効果があるとして、大変重宝されたそうです。本展示では、猫絵の粉本のほか、猫絵掛軸(川田幸男氏所蔵)も2点展示します。
まとまった粉本の展示としては、2015年以来10年振りとなります!ぜひこの機会に、新田岩松家の殿様が残した絵と庶民生活の繋がりに触れていただけたらと思います。
2025年10月7日(火)~10月31日(金) 開館カレンダー ※10/11~10/13休館 ※最終日10/31は13:00にて展示終了
中央図書館1階ギャラリー フロアマップ <入場無料>
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群馬大学総合情報メディアセンター中央図書館
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